イタリア:欧州の有機農業大国
昨年、11月6日~13日まで農業視察を兼ねて、イタリアを旅しました。
ローマ最大のテルミニ駅の地下にあるスーパーマーケットでは葉物野菜のサラダパックが美味しかったのですが、日本のサラダパックに比べて有機栽培にこだわった濃い緑の葉物野菜が多く入っていて、見た目も食べてもいかにもヘルシーという感じでした。また、同じスーパー内に、植物を育てる培養土が売られていたのにはびっくり!パッケージに書かれてある文字は、「一般培養土-鉢植えの花や野菜特別用-」100%イタリア製。「あなたの植物に愛とケアを」。と書かれています。
バスツアーでナポリに向かう途中、道路に沿ってたくさんのオリーブやブドウの果樹畑を観ました。
バスガイドのシルビアさんが教えてくれたのですが、ナポリ周辺のカンパニア州は古来から品質の高いオリーブ、ブドウ、柑橘類が多く取れる場所で有名で、研究の結果、ミネラル豊富な土壌が大きく関係しているそうです。
イタリアはヨーロッパの農業大国です。農業生産額はフランスに次ぐEU第2位でEU全体の13%を占めています(2016年)。特に、有機農業が盛んで、有機農業用地面積は190万haもあり(EU内2位、1位はスペインで208万ha)、イタリアの農用地全体の14.9%を占めています(2017年)。ちなみに、日本は2.3万haしかなく、農用地面積全体のわずか0.5%です(2017年)。
EUでは、健康や環境への配慮から有機食品に対する需要が強まっており、2016年の有機食品売上高は世界第2位の3兆8989億円で(1位は米国の4兆9530億円)、需要に供給(生産)が追いつかないのが現状だそうです(農畜産業振興機構ホームページ)。
今後の日本の農業を志向する場合、土の健康⇒植物の健康⇒人間の健康という考え方をさらに前面に打ち出し、世界の先進国の潮流にうまく乗っていく必要があります。また、イタリアは観光大国として、有機農業地と観光を上手く組み合わせています。
日本農業の未来は、イタリアの有機農業が参考になりそうです。
(執筆、宇城正和)
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